さおりの創作話:ぼくは自転車が大好き

アイキャッチ[さおりの創作話] さおりの創作話

アイキャッチ[さおりの創作話]

さおりのせかいへ、ようこそ。

最近、短い文章から想像を膨らませ、大きな話を作り出すことにハマっています。

大げさに、壮大に誇張し、日常のちょっとしたことを大冒険したかのように作り上げるのが、さおりの創作話。

いつまで続くかわかりませんが、ぼちぼちと載せていこうと思います。

さて、本日のお題は。

「今日は自転車にたくさんのりました。たのしかったです。」

小学生の日記によくありそうなこの文章を使って、盛りに盛った話を創作していこうと思います。

ぼくは自転車が大好き

プロローグ

さおりの創作話001:プロローグ

今日は待ちに待った日曜日。お父さんとお母さんのお仕事がお休みの日だ。

妹と一緒に交通公園に連れて行ってもらって、実際に信号機や横断歩道がある道路に見立てた公園で、交通ルールを守りながら自転車に乗るんだ。

交通公園は広いので、めいっぱいスピードを出して走れるから、ぼくはこの日が待ち遠しかった。

お父さんの車に乗って、お母さんと、妹と、ぼく。いざ、交通公園へ!

ぼくは、風になる

さおりの創作話001:ぼくは、風になる

交通公園についた。ぼくは早速、自転車にまたがる。

サドルに座った、この感触。何とも言えない、やわらかさ。

右足をペダルに乗せる。心がわくわくする、この気持ち。

ぐっと右足に力を込める。走り出す自転車。目の前の景色が流れる。

左足もペダルに乗せる。今、ぼくは自転車と一体になる。

さらに足に力を入れてこぐ。あぁ、今ぼくは…風になる!!

颯爽と駆ける自転車

さおりの創作話001:颯爽と駆ける自転車

ペダルをこぐ足に一層力を込める。自転車はぐんぐんスピードを上げて走り出す。

最初のカーブだ!落ち着け、ぼく。スピードの出し過ぎは危険だ!

ゆるやかにブレーキをかけて速度を落とし、徐々にハンドルを曲げていく。

よし、スピードはちょうどいい。このままカーブを抜けて、直線が見えたら一気に加速だ!

颯爽と駆ける自転車。ぼくはもう、風になった。

迫ってくる信号、そして…

さおりの創作話001:迫ってくる信号、そして…

しかし、風になったぼくをいつまでも走らせてはくれない。

そう、信号だ。

目の前に見える信号が黄色になった。そして次は赤だ。

ぼくは止まらければならない。

信号無視をして走り抜けるか!否、それは交通ルール違反だ。事故が起きる。

ゆっくりとブレーキをかけ、徐々にスピードを落としていく。風になったぼくは、いつもの平凡なぼくに戻っていく。

停止線の前で止まる。

目の前を、他の自転車にのった子たちが通り過ぎていく。交通とはそういうものだ。

…と思った瞬間!

ガッシャーン!!

突然の衝撃、そして倒れるぼく。倒れながら後ろを振り向く。

妹に突っ込まれた。大事故だ!

エピローグ

さおりの創作話001:エピローグ

こうして、ぼくは大事故に見舞われ、自転車を降りた。幸いケガはなかった。

突っ込んできた妹は、膝を擦り剥いて血が出ていた。大泣きだ。

なんだよ、泣きたいのはこっちだ。

そう思う気持ちを抑え、ぼくは妹に手を貸した。

ぼくは自転車が大好きだ。今日はこれで帰ることになってしまったが、また近いうちに連れてきてもらうんだ。

いや、もっと広い公園で思いっきり走るのもいいかもしれない。誰にも邪魔されずに走るんだ。

そしてぼくはまた、風になる。きっとだ。

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