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さおりの創作話:ぼくはヒーロー

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さおりのせかいへ、ようこそ。

小学生の日記にあるような短い文章から、めいっぱい想像を膨らませて大きな話を作り出す、さおりの創作話シリーズ。

大げさに、壮大に誇張し、日常のちょっとしたことを大冒険したかのように作り上げていきます。

さて、本日のお題は。

「今日は運動会でした。かけっこで1等が取れました。」

ぼくはヒーロー

プロローグ

さおりの創作話002:プロローグ

ぼくはこの日を待っていた。そう、今日は運動会。

運動会では、赤組と白組に分かれて点数を競い合う。しかし、実際には個人対個人の戦いだ。かけっこ、リレー、騎馬戦、大玉送り、玉入れ。チームとしての連携も必要だが、ひとりひとりの技量が問われる。

もちろん、ダンスや組体操など、競い合わない競技もある。練習の成果を見せる競技だ。

たくさんの親たちの前で、いざ、運動会の幕開けだ!


開会式、そして運動会の歌

さおりの創作話002:開会式、そして運動会の歌

運動会の開会式が始まった。正直ぼくはこれが嫌いだ。

校長先生の長い長いあいさつ。やっと終わったかと思えば、来賓のあいさつ。カンカン照りの中、立っているのは結構大変なんだよ?

一通りあいさつが終わったら、運動会の歌。「あーおいそらー、かーがやくたいようのーしーたー」おっと、今はこの歌じゃないんだっけ。トシがばれるね!

こんな感じで、ぼくらのテンションは少しずつ上がっていくんだ。


ターゲットはかけっこ

さおりの創作話002:ターゲットはかけっこ

点数を競う競技はいくつもあるが、ぼくが一番力を入れるのはかけっこだ。1位を取れば、ひとりだけが輝ける。ぼくが輝ける絶好の競技ではないか。

下級生のかけっこが終わり、いよいよぼくらの番が来た。ぼくが走るのは、なんと学年で1番最初。1番最初に1等になれば、大注目間違いなし!

スタート地点に立つ。

ゴールまでの距離は100m。

ライバルは4人。4人とも走る速さはぼくと同じくらいだ。

位置について!

号令がかかる。ぼくの学年はクラウチングスタート。右ひざを立て、左ひざを地面につける。両手は肩幅よりちょっと広めだ。小さく息を吐き、呼吸を整える。

よーい!

腰を上げる。ぐっと息を止め、スタートの瞬間に備える。

ドン!

右足に力を込めて、左足を蹴り出す。大きく手を振り、全ての力を推進力に変える。目線は進行方向まっすぐ!スタートはバッチリ成功だ!

ぼくの足は地面を蹴り、手は大きく宙に舞う。流れる風が頬を撫でていく。車のように、新幹線のように、飛行機のように、ぼくの体は風を切りながら加速していく!

いよいよ緩やかな左カーブが迫ってきた!

体をやや左に傾け、曲がりやすい姿勢を作る!足を滑らせないように気を付けろ、ぼく!ここで転んだら一生の恥だ!

カーブが終わり、最後の直線に入る。ぼくの前には誰もいないが、わずか後ろに1人いるのがわかる。

ここで抜かれたら終わりだ。

最後の力をふりしぼり、全力で足を前に出す!額の汗が後ろに飛んでいく!絶対に抜かせるものか!ぼくが1等を取るんだ!


エピローグ

さおりの創作話002:エピローグ

こうして、ぼくは1等を勝ち取った。順位旗を持ち、1等の一番前で待機だ。学年全員が走り終わったら、ぼくが1等旗を持って、先頭でトラックを1周する。

この瞬間、ぼくはヒーローになった。



こら!早く起きなさい!遅刻するよ!

あ?ん?あれ?なんだ、夢か…。

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